考える力と記憶力の関係 頭の中で情報の整理をしよう!

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「子どもの考える力を育てたい」と思っている保護者の方は多いのではないでしょうか。「考える力」とは身に付けた知識や情報を頭の中で整理し、それらを理論立てて自分の言葉で表現するということだと私は考えています。

そして、この「考える力」を育てるために、普段から子どもにどのように接すればよいのかを考えたとき、「整理収納のスキル」を子どもの頃から身に付けることは、考える力を育てることに繋がるのだということに辿り着きました。

お片づけの4つのステップで情報の整理を身に付ける

お片づけには、必要な物と不必要な物を区別し、不必要な物を取り除く「整理」、必要な物を使いやすい状態にする「収納」、物が取り出しやすいように整える「整頓」、使ったものを元の場所に戻す「お片づけ」の4つのステップがあります。この4つのステップでは、自分にとって必要か不必要かを判断し、どのように収納すれば使いやすくなるのかを試行錯誤しながら、繰り返し考えることになります。

つまり、「整理・収納・整頓・片づけ」という4つのステップを通して、自分で判断する力や、考える力を身に付けることができるのです。そして、これらの力を育てるために必要なのが知識や情報です。

先日、3年生の授業があり、休憩時間に私が「喉が乾いたからお茶を飲もうかな。」と言っていたら、いつの間にか「どんなお茶が好き?」という話題になりました。お茶の名前をたくさん知っている子どもたち。麦茶・烏龍茶・ほうじ茶・緑茶・どくだみ茶・十六茶・爽健美茶・生茶・とうもろこし茶・紅茶……なかには「お~いお茶!」と元気よく答えてくれる子もいて、みんなで「それは緑茶だよ!」と突っ込みをいれて笑っていました。

「お茶」だけでもこんなにたくさんの種類があるんですね。子どもたちは本当によく覚えているなあと思います。実はこれ、頭の中で「お茶」というタグをつけて情報の整理をしているからできることなのです。

記憶の仕組みと整理収納の関係

記憶の主な仕組みはこの4つです。

  1. 記銘・・・情報を脳の中に残る形に変えてインプットする
  2. 保持・・・インプットした情報を脳の中に保存しておく
  3. 想起・・・脳の中に保持している情報を思い出す
  4. 忘却・・・記憶していた情報を思い出すことができなくなる

記憶力の話になると、インプット(記銘)したことをアウトプット(想起)することで記憶の定着力が上がるということをよく見聞きします。インプットした情報をアウトプット(想起)するためには、頭の中に情報をファイリング(保持)しておかなければなりません。

この時、記憶した情報に”タグ”や”ラベル”を付けて記憶することで、その情報を思い出しやすい状態にし、繰り返し思い出すことで、記憶が定着しやすくなります。また、どのような”タグ”や”ラベル”をつけるのかを自分で判断するということを「整理・収納・整頓・片づけ」という4つのステップを通して学ぶことで、自分にとって必要な情報を、アウトプットしやすい状態にしておくことができます。

情報の整理とお片づけ

私たちは普段の生活の中で、多くの情報に触れ、それらを脳に記憶し、知識として蓄えています。このとき、記憶を思い出しやすくするために、脳の中の情報を整理して保持し、自分にとって必要な情報を取り出しやすい状態にしています。

子ども達が、“お茶“と聞いて、緑茶・麦茶・烏龍茶・紅茶・ほうじ茶…というように、すぐに様々なお茶を思い出すことができたのは、頭の中で記憶を保存するときに、“お茶”というタグをつけて情報の整理をしているからなのです。

つまり、記憶のプロセスの中の「保持」と「想起」において、お片づけの4つのステップが、身に付けた知識や情報を頭の中で整理し、それらを理論立てて自分の言葉で表現するための、練習に繋がっているのです。

子どもの頃から、頭の中で情報の整理ができると記憶力が良かったりものを考えるときに、自分にとって必要な情報を自分で選ぶことができるようになります。

今は、子どもでもスマホやタブレットを使ってYouTubeを見たり、SNSに投稿したり、子ども自身がSNSで情報を発信したりすることが当たり前になりつつある時代です。沢山の情報の中から、情報の取捨選択をすることができる力を持っているという事は、子ども自身にとっても、自分で自分を守ることに繋がります。

楽しく遊びながらお片付け

考える力や情報を整理する力やは成長する中で自然と身につく力ではありません。子どもをとりまく大人、親や先生などが意識して子どもに働きかけてあげることが大事なのです。

子どもは遊びながら様々なことを学んでいきます。ですから、お片づけをするときに音楽をかけたり、競争を取り入れたりなど、遊びの要素を取り入れ、「お片付け=楽しい!」という感情を育ててるところから始めてみてください。

「お片付けまでが遊び」という習慣をつけることで、自然と自分でお片づけをすることができるようになります。お片づけができるようになったら、お家の中にあるおもちゃの中で、よく遊んでいるおもちゃを選ばせるなど、幼いころからの整理収納教育を、ご家庭でも意識して取り入れてみてくださいね。

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